今すぐ見たい!からくり時計の仕掛け

写真-からくり時計

購入検討というUX(顧客体験)

写真は壁掛け式のからくり時計です。私の家の近所の歯医者の待合室にもあって、1時間毎に近所の子供達を楽しませています。

しかし時計店でからくり時計を選ぶ時に1時間毎にしか音色と動きを確認できないとしたらどうでしょう? どれだけの人が次の鳴動時刻まで待つでしょうか? 通常でしたら店員の方にお願いして鳴らしてもらうのでしょうが、大規模量販店では店員が近くにいない事もありますし、このようなことを頼むのは店に迷惑ではないかと気が引けるものです。

つまりいままでのからくり時計は「からくりを確認してから購入したいのに、できない」という不快な体験を見込み客に与えていたわけです。UX(顧客体験)デザインでは、顧客と商品の接点の全てにわたって不快な体験を与えない配慮が求められます。

1時間待たなくても大丈夫

「からくりを確認してから購入したいのに、できない」という不快な体験を、この時計のメーカーはある新機能によって解決しました。このメーカーのからくり時計には、本体下端に<今すぐからくりを動かす>ボタンが付いているのです。これで店に気兼ねすることなく、次の鳴動時間を待つ事もなく、思う存分からくりを比べる事ができます。

この<今すぐからくりを動かす>ボタンが購入後に使われる可能性はほぼありません。しかし購入検討中の顧客に不快な体験を与えないためには必須の機能であると言えます。

今日のTPO

「購入後は」使いやすくとも「購入検討時に」使いづらい事もある。